○契約成立前の段階

・契約交渉の破棄

→契約交渉過程であっても、相手に契約の成立に対する強い信頼を与え、その結果相手が費用の支出等を行った場合には、その信頼を裏切った当事者は相手方が被った損害(信頼利益)を賠償する義務を負う。

→未だ契約関係にないため、賠償請求権の根拠は不法行為。

・契約締結過程での情報提供・説明義務

 

○契約の成立

・申込み

・申込みの誘引

・承諾

 

○危険負担

・双務契約の一方の債務が(両当事者に帰責なく)後発的な履行不能により消滅した場合に、他方の債務がどうなるかの問題

→債権者主義(534)…他方の債務は消滅しない(債権者が債務消滅の危険を負担)

→債務者主義(536)…他方の債務は消滅する(債務者が債務消滅の危険を負担)

・任意規定ゆえ特約で排除可。

・不特定物売買は特定が生じた時に(401Ⅱ)、債権者主義が適用

・停止条件付双務契約については、条件成就前には債務者主義が適用(535

・危険負担の債権者主義が適用される場合に、債務者の履行不能を原因として金銭や債権を取得した場合には債権者はこれを自己に引渡すよう請求できる(代償請求権)。

→判例認める。

・債務者主義の場合に、自己の債務を免れたことによって利益を得た時は、これを債権者に償還しなければならない(536Ⅱ)。代償請求権と同趣旨である。

・両当事者に帰責性のある場合は、契約は無効(内田)

・事情変更の原則

→事情変更がある場合に契約解除と契約改定を認める(裁判例)

→事情変更とは、①予測し得ない事情の変更、②事情変更が当事者の責めに帰することができない事由に基づく、③契約通りの履行を強制することが信義則に反することである。

 

○解除(541

・一方的な契約破棄の意思表示

・相手方が債務不履行に陥った場合に、債権者を反対債務から解放し、債務者の遅れた履行を封じ、あるいは自らが引き渡した目的物の取戻しを認めることによって債権者を保護する。

・要件

①債務不履行があること

→履行遅滞、履行不能、不完全履行に分かれる。

→複合契約においては、要素たる債務について不履行があることを要する。

※一方の契約の履行では契約の目的を達成することができない場合には、契約の両方を解除できる。

 

②債務者に帰責事由があること(抗弁事由)

541条に明文はない。解釈上要求。

 

③相当の期間を定めた催告(541)があること

→催告中に定められた機関そのものではなく、解除までに実質的に与えられた猶予期間。

→債務不履行の前提としての履行の提供と催告の順序は同児でもよい。

→当事者の合意で催告を排除できる。

→定期行為については催告不要(542)。

→履行不能による解除には催告不要(543

 

・解除の意思表示は撤回できない(540Ⅱ)。

∵相手方の地位を不安定にし、法律関係を複雑にする。

・当事者の一方が複数である場合には、契約の解除はその全員から、または全員に対してのみすることができる(544Ⅰ)。

・当事者の中の一人について解除権が消滅した場合には、他の者についても消滅する(544Ⅱ、解除の不可分性)。

→共有物の賃貸において、共有者が解除する場合には、解除権の行使は管理行為であり(252)、共有持分の過半数で行使できる。

・効果(545

→契約の遡及的無効(直接効果説)

→原状回復(果実の返還、使用利益の返還、利息の返還)

→解除する側が故意又は過失により受領物を損傷滅失させた場合には、介助犬を失う(548Ⅰ)。

→両当事者無責で受領物が損傷滅失した場合には、債務者主義(自分の支配領域にあるリスクは自分が負担すべし)が妥当する。滅失の場合も価値相当額の返還を負う。

→受領者が必要費・有益費の支出があった場合には償還できる(196)。

・解除前の第三者

→第三者(545Ⅰ)但書…当事者及びその包括承継人以外の者で、解除前に、解除前の法律関係を前提として新たに独立した法律上の利害関係を有するに至った者。

→債務不履行についての善悪を問わず解除を対抗できない(545但書)

∵債務不履行があったからといって当然に解除されるわけではないから。

→解除権者には帰責性がないから、第三者には権利保護要件が要求される。

・解除後の第三者

→対抗問題として処理。

∵解除の遡及効は法的擬制であり、実質的には二重譲渡類似の関係。

・損害賠償(545Ⅲ)

・消滅時効…10